外国人が戸惑う日本のビジネスマナー5選

ごきげんよう。張陽子です。

新入社員研修の過渡期も過ぎ、フィードバックを楽しく拝見している日々です。

昨今、多くの企業で外国人が増えてきました。
今年は25本、新入社員研修をこなしましたが、

「やはり日本は特別な国だなぁ..。」

と外国人スタッフから多数声をいただきました。

【外国人が驚く日本のビジネスマナー / 外資系社員が戸惑う5つのマナー】

日本のビジネスマナーは「世界一丁寧」とも称賛される一方で、外国人ビジネスマンからは「最初は理解が難しい」と戸惑いの声が上がることも少なくありません。
私は長年、国内外の多くのビジネス現場を見てきましたが、日本独特のマナーには「文化的背景の違い」が色濃く反映されています。
今回は 特に外国人が驚き、戸惑うことが多い5つの日本ビジネスマナーをご紹介します。

① 名刺交換 — “A Ritual, Not Just a Card Exchange”

欧米やアジアの多くの国では、名刺交換は単なる「自己紹介ツール」として扱われます。

そしてニューヨークのウォールストリートでは紙の名刺は禁止(ECOの観点から)。

しかしまだ日本では紙の名刺交換が儀式のようにあり「名刺は相手そのもの」と考え、非常に丁寧な扱いが求められます。

「両手で渡す」
「相手の名刺を受け取ったら、すぐに内容を確認する」
「名刺はテーブルの上に丁寧に置き メモを直接書き込まない」
「名刺入れを利用し、相手より高い位置に置かない」

この日本独特の儀式、そして「名刺=相手の分身」という考え方は、外国人にとっては想像しにくい感覚です。
実際、「どうして紙1枚にそんなに気を遣うのか?」という素朴な疑問がよく聞かれます。
背景には、日本独特の「相手を敬う文化」「礼を尽くす姿勢」があります。名刺交換は、ビジネスが始まる前の「最初の信頼構築の儀式」 と伝えます。

② 時間厳守 — “Early is On Time, On Time is Late”

日本の「時間に対する意識」は世界でも突出しています。5分前には何事も準備が整っている、時計を10分早めておく、など時間にルーズな外国(特に東南アジア)では驚かれます。
しか〜し、現代社会では「スマホ」世代にとって日本人でも時間の概念も変わりましたね。
遅刻するにもスマホで連絡がとれるので「5分前」行動がなくなりつつあります。

海外では「定刻に着けばOK」という考えが主流であり、5分10分の遅れは大きな問題にならないこともあります。
アジア諸国でも、柔軟に運用される文化も多く存在します。

日本人の時間厳守の背景には、「相手の時間を奪わない配慮」「段取り重視の文化」「空気を乱さない心配り」が根付いています。


この感覚は外国人にとって緊張感を生み 極端にストイックに感じるそうです。
これは良いことだと思うので、国際化が進んだとしても「時間厳守」は存続してほしいものです。

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③ 敬語 — “Levels of Politeness That Have No End

日本語の敬語は外国人にとって最難関の壁のひとつです。
単なる「Please」「Thank you」では済まず、立場やシーンによって複雑に使い分ける必要があります。

尊敬語(おっしゃる、なさる、いらっしゃる)
謙譲語(申します、伺います、いただきます)
丁寧語(です、ます)

外国人社員は「どれが正しいのかわからない」「間違えたら失礼では?」とプレッシャーを感じます。

特に商談・プレゼン・電話対応などで、敬語ミスは目立ちやすく、「日本語力はまだまだ」と自己評価が下がるケースも多いのです。

敬語の背景には、日本独自の

「上下関係の明確さ」
「相手を立てる美徳」

があり、これが外国人にはなかなか理解しづらいポイントです。
いえいえ日本人でも理解しづらいですよね。毎年新入社員からの質問の主な内容は「敬語」です。

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④ ポジショニング — “Why Is There a Right Seat?”

会議室・応接室・車内・エレベーター・会食の座席位置まで、日本では細かく序列が存在します。

上座(かみざ):一番良い席、最も立場の高い人
下座(しもざ):出入口に近い席、若手・ホストが座る

外国人にとっては「どこに座っても問題ない」と感じるシーンでも、日本では誰がどこに座るべきかを瞬時に判断する文化があります。
これは上下関係を示すだけでなく、「おもてなし・配慮の文化」の一部でもあります。
欧米のフラット文化では理解しづらく、「なぜそんなに席順が重要なのか?」と困惑することもよくあります。

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⑤ 挨拶 — “Formality Before Familiarity”

日本のビジネスシーンでは、朝の「おはようございます」、退社時の「お先に失礼します」、取引先への「いつもお世話になっております」など、挨拶のルールが非常に重視されます。

日本では、これらの挨拶が信頼関係の基本となり、円滑な人間関係構築に繋がっています。


「きちんと挨拶できる人は、信頼できる人」

という無言の評価基準が存在しているのです。

まとめ —

“マナーは文化の結晶”

日本のビジネスマナーは、

「相手を敬い、和を重んじる」文化の延長線上に存在します。

外国人にとっては、最初は戸惑いが多いかもしれませんが、一度その意味を理解すれば むしろ日本での信頼獲得に大きく役立つ武器となります。

だからこそ、私は「なぜそうするのか?」を丁寧に解説するビジネスマナー研修を専門として提供しています。

マナーとは、ルールではなく

「相手に好印象を与える」
「相手に不快感を与えない」
「相手を尊重するための技術」


グローバル人材が日本で活躍するために必要なことは単なる知識だけではなく、そのマナーの裏側にある奥深い意味と伝統的な文化です。

【基本は大切】【初心忘れるべからず】

新入社員だけでなく、ベテラン社員も数年おきに「ビジネスマナー研修」を受けていただきたく思います!

ご連絡お待ち申し上げます!

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